産業用燃料電池

家庭用燃料電池はエネファームという愛唱で広く一般に知られていますが、産業用燃料電池は一般住宅向けではないため、あまり知られていません。しかしながら、既に病院やホテルや防災施設などを中心に導入され、実際に稼働しています。技術開発の余地がまだまだ残されていますので、今後の普及促進に期待がかけられています。

家庭用製品との違い

燃料電池の仕組み

こちらは燃料電池の仕組みを表したイラストです。元素記号が書かれているため、ちょっと難しいと感じられるかもしれませんが、簡単に言うと水素と酸素の化学反応で発電を行います。この仕組み自体は産業用でも業務用でも家庭用でも変わりません。家庭用燃料電池との比較で最も違いが顕著なのが「発電規模」と「価格」です。

蓄電池やコージェネレーションシステムなどにも同じことが言えるのですが、一般的に産業用のものは家庭用のものよりも規模が大きく、また規模の比例するように価格も高くなる傾向にあります。一般家庭と産業施設(ビルやホテルや工場など)とでは必要とする電力量も保有する敷地面積も異なりますので、当然といえば当然です。

また、使用される燃料電池の種類も異なります。一般的に家庭用製品は固体高分子形(PEFC)と呼ばれる動作温度の低い燃料電池を使用しますが、産業用は動作温度も発電効率も高いリン酸形(PAFC)や溶融炭酸塩形(MCFC)や固体酸化物形(SOFC)といった種類の燃料電池が使われています。

メーカー比較

ロゴをクリックすると各社公式サイトの産業用燃料電池紹介ページへ飛びます。多くのメーカーが燃料電池の解説コンテンツも併せて公開しているため、各サイトをチェックするだけでも燃料電池のシステムの勉強になります。

メーカー 解説
日立造船 「日立造船」
産業用固体酸化物形燃料電池をフィンランドの企業と共同で開発しています。ちなみに社名に日立が入っていますが、家電の日立製作所とは特に深い関係はなく、日立グループにも属していません。
富士電機 「富士電機」
りん酸形燃料電池の製造開発を行っているメーカーです。既にホテルや医療機関などに製品は納入されていて、4万時間(約4年半)以上の運転実績があります。燃料電池の解説動画も視聴できます。
東芝 「東芝」
東芝は東芝燃料電池システム社を通じて燃料電池の製造販売を行っています。同社の製品としては家庭用燃料電池のエネファームが有名ですが、産業用の大規模製品の開発も手掛けています。
三菱重工 「三菱重工」
大型の燃料電池発電システムの開発に注力しているのが三菱重工です。先述の日立造船と同様に固体酸化物形燃料電池(SOFC)の開発を進めています。現在の開発状況なども見ることができます。
三浦工業 「三浦工業」
蒸気ボイラーや食品加工機器などで有名な三浦工業は、固体酸化物形燃料電池システムを住友精密工業と共同開発しています。なお、ロゴのリンク先はプレスリリースのページとなっています。

燃料電池.net

こちらのページではあまり触れなかった家庭用製品に関する詳しい解説は当サイトの「家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの特徴と課題」というページをご覧ください。また、解説の途中で登場した燃料電池の種類別の詳細に関しては外部サイトの「燃料電池.net」を参考にして頂ければと思います。